天国へ向かう道の途中に「虹の橋」と呼ばれる場所があります。
この地上（せかい）にいるあなたに愛され、可愛がられてきたペットは、
飼い主のあなたと死に分かれた後、すぐには天国へは行かずに、
その「虹の橋」のたもとへと行くことになっています。
虹の橋のたもとでは緑の草地と丘が見渡す限り広がっていて、そこではかつて私たちに愛されていた動物達が一緒になって走り回り、仲良く遊び、楽しく暮らしています。
ここでは食べ物も、水も、何一つ不自由なく、太陽の光に充ち溢れ、動物たちは暖かさと心地よさの中で毎日を過ごします。
病に伏し、年老いた動物たちも、ここでは若さと健康を取り戻します。
傷を負った子や弱り衰えた子たちも元通りの、元気に充ちた姿を取り戻します。
そう、ちょうど、私たちの記憶の中にある「よき日々」のその子たちの姿を取り戻すのです。
ここではすべてが満たされています.........だけど、そんな虹の橋のたもとでもその子たちにとってたったひとつだけ足りないものがあるのです。
あとに残してきて離れ離れになってしまった特別な誰か、そう、あなたがそこにはいないのです。
ある日のことです。 いつものように動物たちは毎日、幸せに走りまわり、
遊んでいます。
すると、そのうちの一匹がふと仲間たちと遊ぶことをやめ、遠くに目をやりました。
その日がやってきたのです。
目を輝かせ、その体は喜びで震え始めました。
走りだしました。仲間たちの群を離れ、緑の草原の上を、足が宙を切ってしまうような勢いで走りだしました。
はやく、速く、もっと速く........草原の上をまるで飛ぶように。
その子が遥か彼方に見つけ出したもの、それは、そう、あなたの姿。
待ち焦がれていた再会の時、その時がやってきたのです。
あなたはその子を抱きしめます。
長い間あなたの人生から姿を消してしまっていた、だけどあなたの心から決して
消えることはなかったその子を抱きしめます。
もう二度と離れ離れになることはないその子を。
待っていた、虹の橋のたもとでずっと待っていてくれたのです、
あなたのことを、再びあなたがこうして抱きしめてくれる日を。
虹の橋のたもと、そこは人間に愛されていた動物たちが死んだ後ひとり先に天国へ行ってしまわずに飼い主が来るまで待っていてくれる場所。
そしてあなたも今、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです。 |
